賃貸の申込金と手付金の違いとは。キャンセル時に戻ってこないケースも

初めて賃貸物件を借りる際、さまざまな不動産用語や業界の慣例にとまどうことがあるでしょう。 賃貸物件の仮押さえをお願いしたときに要求されることのある申込金や手付金は、その代表的なものでしょう。 今回は、賃貸における申込金と手付金の違いについてご紹介します。

1.どちらも、明確なルールはない

大前提として、申込金も手付金も、明確な法律やルールに基づいて定められているわけではないということを知っておいてください。 いずれも、賃貸物件を決めてから入居審査が通るまでのあいだに、別の人がその物件を契約しないようにするためのお金であり、これは一部の不動産屋で行われている慣例です。 最近では、ほとんどの不動産屋で契約前の段階でお金を要求することはありません。 契約を途中で撤回したときなどに、返す、返さないでトラブルになりがちですので、このようなお金は払わないに越したことはありません。

2.申込金は、契約金の前払い

賃貸物件の契約をする前に、一時的にその物件をおさえるために支払うのが、申込金です。 これを支払えば入居審査などで一定期間、優先的に契約を進めることができます。 申込金は、その後に支払う契約金の前払いのような扱いで、契約金を支払う際にその分が減額されます。 また、契約がキャンセルになった場合は、戻ってくるお金です。

3.手付金は、基本的に不当な請求

一方で手付金とは、その物件をおさえて優先的に契約交渉するためのお金である点は申込金と同じですが、仲介手数料という口実で、返還されない可能性のあるお金です。 手付金は、もともとは不動産売買の契約で使用される言葉であり、賃貸契約の際には普通使わない言葉です。 これはごく一部の不動産屋で行われている請求であり、もし手付金を要求された場合には返還の可否を必ず確認してください。

4.名前は違っても、意味は同じ

簡単に言えば、申込金は「戻ってくるお金」であり、手付金は「戻ってこないお金」ということになります。 ただ、申込金も手付金も基本的には賃貸契約と関係のないお金のやり取りであり、法律的にはグレーゾーンです。 名称も、不動産屋によってまちまちであり、内金、予約金など、さまざまな呼ばれ方があります。 いずれの場合でも、1万円程度が普通です。 不動産屋によっては家賃1ヶ月分など、不当に高額なお金を請求するケースもあります。 まだ契約もしていないのにそのような高額の金額が発生することはあり得ませんので、そのような場合は絶対に断るようにしてください。

5.必ず預かり証をもらい、仕組みを訊く

賃貸契約において、申込金や手付金のトラブルは絶えません。 なにも説明を受けず1万円を支払い、そのまま返還されない、というケースはいまでも非常に多くなります。 抗議するにしても、自分がそのお金を支払ったという証拠がなければ、どうしようもありません。 申込金や手付金を支払う場合は、必ず預かり証を発行してもらい、どのように使われるお金なのか、その場で詳しく説明を求めましょう。 また、トラブルのもとになりがちなのが、領収書です。 領収書は、そのお金を領収した、すなわち受け取った、という意味になってしまいます。 一時的に預かったことを示す預かり証を作成してもらうか、領収書の但し書きを「預かり金として」としてください。 さらに「契約の成立不成立にかかわらず、この金額は返還されるものとします」と一筆あれば、言うことないでしょう。

6.契約しなかった場合は、必ず返ってくるお金

とくにトラブルが多いのは、入居審査が通らなかった場合など、入居の申込みを取り下げて契約を撤回した際に、お金が戻ってこないケースです。 「仲介業務の手数料として支払われているお金なので、返還できない」「もう大家に支払ってしまった」などという説明をする不動産屋もあります。 しかし地住宅取引業法により、契約が成立しなかった場合の仲介業務にかかわる費用は、いかなる場合でも請求できないと定められています。 このように不動産屋が言い張る場合は、違法行為です。 きちんと抗議をし、それでも拒否される場合は消費者生活センターや自治体の窓口、業界団体などに相談しましょう。

申込金と手付金の違いを知ろう

賃貸における申込金と手付金の違いについてご紹介しました。 まとめると、以下のようになります。 ①申込金は戻ってくるお金、手付金は戻ってこないお金。 ②名称はまちまちで、明確なルールはない。 ③契約がキャンセルになった場合は、どんな場合でも返還される。 いずれにしても、現在はこのような預かり金の仕組みは業界的に排除される傾向にあります。 申込金や手付金を要求された場合は、まず不動産屋のモラルを疑ってください。 どうしてもその物件に住みたく、ライバルに取られたくない場合は、必ず領収書をもらって支払い、後々証拠が残るようにしてください。

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