賃貸の保証金とは。敷金礼金との違いは?

なにかと専門用語や特殊な商慣習が多いのが、不動産業界です。 とくに賃貸物件を契約する際には、普段耳慣れない専門用語によって、さまざまな費用を要求されます。 そこで今回は、賃貸物件を借りる際に一部の地域で使われる「保証金」という仕組みについてご紹介します。

1.敷金礼金とほぼ同じ意味合い

関東地方では、賃貸物件を契約する際に「敷金礼金」という費用が発生します。 近年は、関東地方に限らず全国的に使われる言葉となっていますので、一度は耳にしたことのある方も多いでしょう。 敷金とは、入居者が万一家賃を滞納してしまったり、物件の備品を破損してしまった場合などに充当する担保金のようなお金で、退去時に一部または全額が返却されます。 一方、礼金とは入居者が貸し主に感謝の気持ちを込めて支払うお金で、こちらは一切返却されません。 この敷金礼金とほぼ同じ意味合いの仕組みを、関西地方や一部の中国九州地方などでは「保証金」と呼んでいます。 保証金の内訳として「預かり金」と「敷引き」があり、預かり金というのが関東地方の敷金にあたるものになります。 そして敷引きが礼金と同様のものであり、貸し主に支払われ、退去時にも返却されません。

2.敷金礼金と異なる仕組みとは

保証金は、関東地方の敷金礼金とほぼ同じ意味合いで使われていますが、異なる点もあります。 例えば、関東地方では2年に一度支払わなければならない契約更新料が、関西地方では必要ありません。 契約更新料は一般的に家賃1ヶ月分が相場で、同じ物件に長く入居している人にとってはバカにならない出費となりますので、契約更新料がかからないのは大変助かります。 そのかわり関西地方では、一般的な保証金の相場が家賃の6〜8ヶ月分と、敷金礼金の相場に比べてかなり高額です。 ただし、昨今の人口減少や不景気のあおりを受けて関東地方で敷金礼金が無料という物件が増えているのと同様、関西地方でも保証金が無料あるいは家賃1ヶ月分などの物件も増えています。 初期費用が捻出できずにお悩みの方は、インターネットの不動産サイトなどで「保証金無料の物件特集」なども多く組まれていますので、ぜひ保証金の安い物件から探してみることをオススメします。

3.退去時に保証金は戻ってくる?

退去時に保証金がどれくらい戻ってくるか、ということは大きな関心事のひとつです。 関東地方の敷金礼金においても、敷金の返却についてはトラブルに発展しやすい問題のひとつです。 保証金における敷引きの割合は入居時の契約書で定められており、その割合は一般的に20%〜50%です。 関東地方でも敷金が家賃2ヶ月分、礼金が家賃1ヶ月分という物件が多いことを考えると、割合的には敷金礼金方式とさほど違いはありません。 退去時に返却される保証金は、敷引きの割合を差し引いた金額ということになりますが、クリーニング費用や畳の交換費用などという名目で天引きされ、ほとんど戻ってこない、というケースもあります。 これは、入居者が退去時に物件の原状回復をしなければならないためですが、あまりにも天引きされてしまって保証金がまったく戻ってこない、という場合はきちんとクレームを入れましょう。 というのも、入居者が行わなければならない原状回復は、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で明確に定められており、借りた当時の状態まで戻す必要はない、と明記されています。 また、何年も入居していた場合は、経年劣化によって補修費も高くなりますが、これも入居者が支払う必要はないと定められています。 保証金をめぐるトラブルに巻き込まれたときには、このガイドラインを示してしっかり抗議しましょう。

4.地域ごとに存在するローカルルール

これまで、関東地方と関西地方とで初期費用の違いについて説明してきましたが、じつは各地域や不動産会社によってもルールはまちまちです。 例えば、関西地方のなかでも京都府と滋賀県の一部では、敷金礼金方式が一般的です。 ただし敷金礼金が家賃3ヶ月分と、関東地方の相場より高いことが特徴となります。 また、関東地方でも不動産会社によっては敷金のことを保証金と呼ぶケースもあり、この場合は保証金とは別に礼金も支払う必要があります。 このように用語や商習慣が異なることを悪用して、知識のない入居者から必要以上の初期費用を要求する業者もありますので、じゅうぶんに知識を身につけて契約をしてください。

賃貸物件の保証金について知っておこう

賃貸物件における保証金についてご紹介しました。 賃貸物件の契約は多くの人が一度は経験することですから、早急にわかりやすいルールを定めてほしいものですが、損をしないためにもしっかりと勉強しておくことが肝心です。 引っ越し先の地域で行われている商習慣を調べて、万全の態勢で臨みましょう。

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